SSブログ

森鷗外と植物 [本]


去る5月のこと

NHKの「ラジオ深夜便」を聴いていて

文豪 森鷗外さんは忙しい時にも

植物日誌をつけたり、庭にいろいろな植物を育てたりと

植物好きであったことを知りました

特にスミレが好きで

小説「山椒大夫」の中にも登場しているとのこと

 ・・・

教科書で読んだことのあった「山椒大夫」

スミレのことは記憶になく

改めて読んでみたくなり

読書家のYに聞いてみると

「ほれ」と

探してきてくれました

森鷗外集と文庫「晩年の父」小堀杏奴著




スミレ1.JPG

山椒大夫

 

ちょうど岩の面に朝日が一面にさしている。

安寿は重なり合った岩の、風化した間に根をおろして

小さい菫の咲いているのを見つけた

そしてそれを指さして厨子王に云った。

「ご覧もう春になるのね」


***


15歳の安寿は、13歳の弟を一人

奴隷としてとらえられた境遇から逃がすことを考え実行する

逃げる途中の山道で菫を見つけて

・・・

話の内容はあまりにも悲しいので

菫の部分だけ記しておきます





岩波文庫
晩年の父
小堀杏奴 著
岩波書店



こちらは少女期にあった次女の杏奴さんと

父・森鷗外(本名・森林太郎さん)との

亡くなる前の1年間の思い出を書かれたもの

パッパコアンヌコ(パッパの子供の可愛いアンヌコ)

弟の類さんのことを

パッパコボンチコ(パッパの子供の可愛いボンチコ)

などと呼びかわいがっていたことや

散歩中に菫をみつけ

「うちに帰って庭に植えよう」といって

根ごと掘って持ち帰ったことなど

病を患いながらもできる限り仕事を続け

植物を愛で家族を愛した

そんなお父さんのことが大好きだった杏奴さん

・・・

目次


晩年の父

思い出

母から聞いた話

あとがきにかえて

はじめ悪しければ終わり善し


・・・

それにしても

於菟オト・茉莉マリ・杏奴アンヌ・不律フリツ・類ルイ

子供の名前が洋風ですね^^




読書.JPG

読み途中の本たち^^





タイサンボクの花.JPG

タイサンボク開花


nice!(39)  コメント(14)