あどけない話 [空]
5/3金曜日はれ
前日、Yのアパートに1泊して新白河から二本松市へ向かう
二本松駅から歩いて数十分到着したのは「智恵子の生家」
造り酒屋だった生家と記念館その裏の道を行った先には
安達太良山と阿武隈川が同時に眺められる鞍石山へと続く道
高村光太郎と智恵子
仲良く語らいながら二人が歩いたであろう道を
歩いた・・・だがしかし
Yは一人ずっと先を行く
写真を撮りだすと、なかなか先に進まないmituを残して
あどけない話
智恵子は東京に空が無いといふ
ほんとの空が見たいといふ
私は驚いて空を見る
桜若葉の間にあるのは
切っても切れない
むかしなじみの きれいな空だ
どんよりけむる地平のぼかしは
うすもも色の朝のしめりだ
智恵子は遠くを見ながらいふ
安多多羅山の山の上に
毎日出ている青い空が
智恵子のほんとの空だといふ
あどけない空の話である
高村光太郎
詩集『智恵子抄』より