知られざるハーン絵入書簡 [本]
桑原春三 所蔵
知られざるハーン絵入書簡
veiled letters
from lafcadio hearn
雄松堂出版 関田かおる編著
54年の生涯の中でも重要な位置を占める二人
青年時代の恩人ヘンリー・ワトキンと
「心の恋人」と称されるエリザベス・ビスラントの
二人に宛てた書簡のコレクション
***
小泉八雲
ラフカディオ・ハーン
1850~1904
父はアイルランド人で
ギリシャのチェリゴ島に駐屯していた
英国歩兵隊の軍医であった時
その島の有力者の娘が母である
ギリシャで生まれ
2才、父の国アイルランドへ移り
4才、母親はハーンを一人残しギリシャへ帰る
父親は離別後、未亡人になっていた初恋の女と再婚
祖母の姉ブレナン婦人(裕福な未亡人)にひきとられ
大きな薄暗い部屋で愛に飢え
妖精におののきながら
夢見る幼年時代を過ごした
16才、イングランドのカトリック系寄宿学校に入れられ
在学中の事故で左目を失明
ブレナン婦人の破産で退学
18才、ブレナン婦人の女中を頼りロンドンで一年暮らす
19才、縁者から厄介者扱いを受け、頼らない道を選び
向かったアメリカシンシナシティにて
その日暮らしの糧を得るため種々の下働きして数か月過ぎたころ
印刷屋のヘンリー・ワトキンに出会う
古い環境をさなぎのように破って
新しい環境に移っていった
漂泊の魂
ギリシャ アイルランド フランス イングランド アメリカ
(1890)日本へ
ヘンリー・ワトキン宛書簡
(To Henry Watkin)
1872ー1896
ハーンは、ワトキンをOld Dad(親父さん)と呼び
ワトキンは、髪の黒い彼に
Raven(大からす)とニックネームをつけた
校正原稿の紙のはしにメモ書きされたものや
カラスのイラストが可愛い